旅先で出会ったおいしいものや、酒にまつわる小さな発見を記録する『酒と肴のご当地手帖』。
地元の人たちは普段どんな酒場で、どんなお酒を飲み、何をつまんでいるのか。その土地ならではの酒場の空気に触れたくなって、時々ひとり酒旅をしています。

第2回は「鹿児島編(鹿児島市内)」です。
鹿児島で個人的にツボだったお酒やおつまみなどをご紹介。酒飲み目線で見つけた、鹿児島のおいしい発見。旅する方の参考になったらうれしいです。
鹿児島市内で出会ったツボなお酒とおつまみ

ここは「焼酎パラダイス」
この街はどこもかしこも焼酎だらけ。しかも、東京よりリーズナブル。

中でも特に印象に残っている銘柄が、鹿児島の至る所で目にした大口酒造の芋焼酎「黒伊佐錦(くろいさ)」だ。

水割りで飲むと、口当たりはまろやか。やわらかな香りとほんのりとした甘さがあって、濃厚な料理とも相性抜群。いやぁ、うまいね。

そして、焼酎好きとして外せなかったのが、セルフ式の立ち飲み「立ち飲み屋 Kiritsu」だ。
現在は市内に3軒あるが、訪問当時は2軒。どちらも行ったのに、ハマりすぎて天文館の店舗にはもう一度訪問したほど。

昼から飲めて、焼酎は1杯250円から。鹿児島ならではのおつまみもある。
地域ごとに焼酎の銘柄が選べて、東京ではプレミア価格の人気銘柄がしれっとメニューに並んでいたりもする。
まさに焼酎パラダイス。
焼酎好きにはたまらない街だ。
さつま揚げ屋の立ち飲みで「えそ」にロックオン
鹿児島で感激したのは焼酎だけではない。「揚げたてのさつま揚げ」にも心を掴まれた。

鹿児島中央駅前で「早く飲みたい!」とウロウロしていたら、「立ち飲みいかがです?」という、さつま揚げ屋さんの看板を発見。

まんまと呑兵衛ホイホイに引っかかり、「さつま揚げ&焼酎2杯セット(2026年現在は1300円)」を注文した。
揚げたてホヤホヤのさつま揚げは、あつあつふわふわで香ばしく、ほんのり甘い。これが芋焼酎とめちゃくちゃ合う!
特に気に入ったのが、かまぼこの原料としても知られる魚「えそ」を使ったさつま揚げ。魚の旨みと絶妙な甘みがあって、芋焼酎がすすむすすむ。
そして、すごいのがセットで選べる芋焼酎。タイミングで変わるようだけど、私が訪れた時には大好きな「安田」や、「魔王」まであった。
もうね、テンション爆上がり。

あまりに気に入って、焼酎2杯付きのセットをまるごとおかわり。さらに「えそ」まで追加注文してしまった(笑)。
鹿児島に到着早々、さつま揚げと芋焼酎の沼にどっぷり。ちなみにここ、朝9時から飲めるんだよ。
市場食堂の絶品「首折れサバ」で至福の朝飲み

ずっと食べてみたかった「首折れサバ」。朝酒を目論んで、早朝から「鹿児島市中央卸売市場」にある食堂へ向かった。
「首折れサバ」は、水揚げ直後に首を折り、鮮度を保つことから名付けられているそう。鮮度抜群で、刺身でも楽しめるのが魅力だ。

シーンと静かな店内。
周りのお客さんは皆、定食を食べている。
勇気を出して「あのっ、サバって単品にできますか?それと、お酒はありますでしょうか?」
若干の恥ずかしさはあるが、旅の恥はかき捨て。そもそも誰も自分のことなんて気にしていないのだ。

ぷはぁ~~~、朝っぱらから一人で瓶ビールを飲む背徳感と優越感よ。
そしてお待ちかねの「首折れサバ」である。
サバってこんなにおいしかったっけ!?!?!?というレベル。
驚くほどの弾力。さっぱりしつつも旨みがしっかりあって、脂の乗り具合も絶妙。クセもなく、甘いお醤油ともよく合う。
そんなサバをキレッキレのスーパードライで流し込む。うまいねぇ。
なんて至福な朝酒だろう。
やっぱり朝酒は三文の徳だ。
連日訪問した回転寿司の「キビナゴ」
鹿児島に来たら、絶対回転寿司に行くと決めていた。訪れたのは、「廻る寿司めっけもん」だ。

鹿児島市内に何軒かある中で選んだのは、鹿児島港のウォーターフロント地区にある店舗。
ホテルの近くにもあったのだけど、なんか港にある店舗の方がおいしそうだし、雰囲気よさそうじゃない?という安易な考え。

で、メニューをみてびっくり!焼酎が激安なのだ。大体回転寿司って、お酒がそんなに安くない。だからそこは全然期待してなかったんだけど……
芋焼酎260円!?!?!?
(※2026年現在は330円)
マジ?しかもこの芋焼酎を水割りで頼んで、半分飲んだところで、卓上の粉茶をちょこっと入れたら……あの、もうこれだけで最高なんですけど。

せっかくだから鹿児島らしいネタを食べたいと「キビナゴ握り」を取る。
すると、何これうまぁ!!!
クセなどもなく、噛むほどに上品な甘みと旨味がふわり。そして、上にちょこんと乗ったさわやかな酢味噌がアクセント。
これまでキビナゴ刺しは都内で何度か食べたことがあって。でも、あんまり好みじゃなくて積極的に食べる方ではなかった。
ところが、今回のキビナゴはおいしすぎて、速攻おかわりしたもんな。

(屋久島のアオマツは噛むほどに甘いし、カレイホルモンはとろける食感でつまみにうってつけ)
おいしい地魚が気軽に楽しめるのがうれしい。独自ブレンドのめっけもん醤油も好みだし、お酒もおつまみもいろいろあって、呑兵衛を肯定してくれるのもいい。
ハマりすぎて、翌日にもう一度行った。そうしたら、大行列で30分待ち。初日はすんなり入れたのに……でも待ったよね。
だって最高だったんだもの。
せんべろで「地鶏レバーのトロトロ」

天文館の立ち飲みで、テレビから流れるローカル番組をぼんやりと眺めていたら、ちょうど近くの居酒屋の紹介がされていた。
「へぇ、昼からせんべろセットやってるのか」

これは気になるということで、速攻で行ってみることにした。たぶん、テレビを観てきたお客さん第1号だと思う(笑)。
で、時間限定の「祭り屋セット」は、訪問当時は1100円で5杯+小鉢1品と、もはや次元が違う。

特に印象に残っているのは「地鶏レバーのトロトロ」だ。低温調理された鶏レバーのコンフィ。
好みで塩やごま油、レモン汁につけて食べる。臭みもなく、濃厚な味わいと舌の上でとろけるような食感。ほんのり甘みのある黒伊佐錦のソーダ割りとも、これがよく合うのだ。

そうこう感激していたら、地元の黒帯先輩が話しかけてきた。
東京から来たと伝えると、東京の酒場での思い出話やおすすめの芋焼酎を教えてくださった。
「島乃泉」と「しま甘露」という芋焼酎をおすすめしてもらったのだが、滞在中には出会えずじまい。いつか飲んでみたいなぁ。
あ、そうだ、ポチればいいんだ!
Q.「小金太ラーメン」は酒のつまみになるのか?
A.酒のつまみになります。
地元の方に「鹿児島ラーメンのここいいよ」とおすすめしてもらった、天文館公園前の人気店へ。
散々はしごした後だったが、ミニサイズがあるから〆にもいいと聞いていたので立ち寄った。

調子に乗って「瓶ビール」からはじめていく。すると、さっぱりとした大根のつき出しを出してくれた。これが箸休めにぴったり。
そして、軽い気持ちで頼んだのは「豚骨入りラーメン SS」だ。ラーメンはSサイズで100円引き、SSサイズなら200円引き。SSにして、普通のラーメンではなく、豚骨入りにしてつまみにしようという算段。煮込み感覚で楽しめそうではないか。
で、SS=相当小さいサイズだろう?と思ったら、予想以上にボリュームがある。

豚骨や鶏ガラを使用したスープは、まろやかなコクがありながらも、後味はスッキリ。食べ飽きずスルスルっと入っていく。
具にはゴロッと大きな豚骨(バラ軟骨)が2つ。ほろほろとろとろ、軟骨部分はコリコリ。豚骨を頬張ってはビールをゴクゴク。ほんのり甘みとキレのある一番搾りと合うこと。
味変で、卓上の一味をちょんちょんとふったりして。いいねぇ。
これは、間違いなく、つまみとしても優秀なラーメンである。

SSサイズだったはずなのに、かなりの腹パンでFIN。呑兵衛にもうれしいラーメン屋であった。
地元の方に教えてもらったスーパーの「鶏刺し」
鹿児島に来たからには、鶏刺しで一杯やりたい。

酒場で地元の方に、「普段、どこで鶏刺しを食べているのですか?」と尋ねると、「いつもスーパー(タイヨー)で買ってるよ」と教えてもらった。
郷に入っては郷に従え。さっそくタイヨーへ向かい、調達してホテルで酒盛りだ。

購入したのは「国産とりさし1人前用」。
ネッカリッチという銘柄の鶏肉で、歯ごたえがよくって、旨みが強い……甘口醤油&おろしにんにくで食べると、つまみとしてパワーアップする。
うまぁ~!!!しかもね、当時の価格で200円ちょっと。凄すぎんか。
地元の人たちは、こんなおいしい鶏刺しを日常的に楽しんでいるとは、羨ましい限り。

そして、相棒は芋焼酎「黒伊佐錦」の水割り。鶏刺しの旨みに、芋の香りが「どうも~」と謙虚に合流。鹿児島コンビ、相性抜群。
それにしても、焼酎がコーヒーみたいなオシャレカップに入ってるのがおもしろい。傍から見たら焼酎飲んでるとは思わないよね(笑)。
📍タイヨー 銀座店(GoogleMap)
コンビニ角打ちの「玉子おにぎり」
鹿児島市役所近くに、以前から行ってみたかったコンビニの角打ちがある。

(いっちもーれは、徳之島の方言でいらっしゃいという意味だそう)
扉を開けると「いっちもーれ。」の暖簾が迎えてくれた。ここは奄美の「徳之島」出身のご夫婦で切り盛りされていて、黒糖焼酎や徳之島料理などが楽しめる。
中でも忘れられないのが女将さんお手製の「玉子おにぎり」だ。

塩おにぎりを薄く焼いた玉子で包んだ、徳之島の名物だそう。まろやかでコクのある玉子ともっちりとした塩おにぎり。
食べた瞬間、思わず頬が緩む。
懐かしくて素朴な味。それでいて、黒糖焼酎がすすむつまみにもなるおにぎりなのだ。
こんなおにぎりはじめてで、ツボすぎる。絶対にまた食べたい!
「うまい、うまい」と頬張っていたら、常連さんが声を掛けてくれた。聞けば、近くでギャラリーをやっているらしい。

そのギャラリーがあるのは、名山堀という飲み屋街。

せっかくだし、見学させてもらうことにした。壁には写真がたくさん飾られていて、名山堀でお店を営む人たちの笑顔で溢れていた。
一軒の角打ちから、まさかこんな展開になるとは。こういう街の日常に触れられるのも、一人旅の面白いところだね。

そして、再びお店に戻り、奄美の黒糖焼酎「じょうご」で一杯。黒糖のコクと爽やかな香り。ああ、おいしいなぁ。
この店で出会わなければ、この銘柄をこんなに好きになることもなかったかもしれない。
鹿児島の夜は濃厚だ。
買ってよかった鹿児島土産
鹿児島の酒屋さんで見つけた、芋焼酎のミニチュアボトル。小さくてかわいいし、飲み仲間へのお土産にもおすすめです。
買ってよかった鹿児島土産。
鹿児島の酒屋さんで見つけた芋焼酎 ミニチュアボトル(100mL/270円)。色んな銘柄あるし、手頃な価格だし、小さくて持ち運びしやすいし、かわいいし、お土産におすすめ。 https://t.co/xU0YIfKM54
— せんべろnet(二千べろ) (@1000bero_net) September 18, 2023

買ったのは、確か鹿児島中央の「焼酎維新館」、時間帯によっては角打ちもできる。
鹿児島の一人旅を振り返って
焼酎に揚げたてさつま揚げ、首折れサバにキビナゴ。おいしいものはもちろん、酒場での思いがけない出会いも忘れられない。
鹿児島は、また飲みに行きたい街だ。

鹿児島には、まだまだ知らないおいしいものがたくさんあるはず。「これもおすすめ」という一品がありましたら、ぜひSNSなどで教えてくださいね。
また鹿児島へ行ってツボな一品に出会ったら、追記したいと思います。
おまけ:鹿児島空港には天然温泉足湯がある

鹿児島空港には、国内空港初の天然温泉足湯があるんですよ。

「おやっとさぁ」は鹿児島弁で「おつかれさま」という意味なんだって。
鹿児島のあったかさが伝わってくる施設。入ってはいないけど。

次回こそは天文館むじゃきで、「しろくま」を食べたい所存。
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